育児 一覧

中学受験を控えて

母親となり。
我が子が中学受験をすることになった。

地方出身の私は、中学受験というものの重さを感じることなく育ち。
自分の小6だった頃を思い出す。

 

子育てとは、自分の過去と向き合う作業だと折々に感じる。
娘を出産したばかりの頃。
親子の関係をなぞるように思い出した。

今、親の立場になり。
どういう親で在りたいのか。
どういう母として存在するのかを考える。

繊細な我が子を。

 

その娘(小6)との会話を見て。
息子(小3)が解説する。

 

「だってさ。ママ。
ママがちょっと来て。って言ったら、怒ってなくても
怒られるみたいでしょ。
だから、怒られているみたいな気分になるんだよ。」

 

息子(小3)が冷静に私に言った。

そうか。そうだね。

親子の距離感。
成長するにつれて、愛情表現の仕方の変化をしていかなくちゃね。

 

前田カオリコ
コミュニケーション・コンサルタント
登録商標 魅話力(みわりょく)

1976年生まれ 新宿区在住
2児の母

株式会社リコラボ 代表取締役
新宿区発のママ*サークル「ブルーミング・マム」代表
1期・2期 新宿区子ども・子育て会議委員
2016/2017年度 新宿子育てメッセ 実行委員長
日本メンタルヘルス協会 研究修了カウンセラー
昭和女子大学 元社会人メンター

 


サンフランシスコ郊外で過ごした日々。

たった5日間のホームステイ体験。
私は、この家族のことが大好きになっていた。
白髭を生やした背が高くて、お腹がでっぷりと出ているマイクはこの家のお父さん。
いつも大らかで料理を作ってくれて、奥さんのことを愛していて。
自然体で、日本食が好きだった。
日本から持参したカレールーを使って作ったカレーライス。
みんなに振る舞ったらとても好評で。
12人分作ったのに、あっという間に無くなっていた。

マイクがリビングで寛いでいる合間を見て、お別れの挨拶をした時。
「明後日の朝に日本に帰るのだけど、もう明日の朝でお別れなの。」と英語で伝えた。

そうしたら、
「うーん。君の言っている意味が分からないな。」というので、私の英語が伝わってないのかと一瞬思った。ちゃんと正しい英語で伝えたのに。と思った次の瞬間。

「君はもっとこの家に居なくちゃいけないでしょ。」と真顔で言う。

「ほら、見てごらん。君が昨日作ったカレーが美味し過ぎて、どうやったら作るのかYouTubeで調べていたところなんだよ。」と私にパソコンを見せてくれた。

その瞬間に、ボロボロと涙が落ちる。
私ももう少し一緒にここで暮らしていたかった。もっと沢山のことを話したかったと。
ホストのママも、またいらっしゃい。家族全員を連れて。みんなでここへ来てと。
その言葉のプレゼントに感激して、気持ちが通じていたことを心から感謝して。

 

私は人が好きだ。
それが私の原点。
気持ちで繋がること。インターネットで世界中の人と繋がれる今。
留学していた1996年の時にはネットがなかった。
それでもやっぱり人の本質は変わらない。

実際に会い、同じ時間と空間を共有し、自分のことを受け止めてもらい、相手のことを受け入れることを。
人生は出逢いと別れの繰り返しだけれど。
人生はその時の切り抜きの積み重ねだけれど。
そういう人生を重ねて行きたいと思うのだ。

息子は、泣く母親の意味が分からずに「どうしてママは泣いているの?」と聞いた。
それでもいい。ただ、母の私は泣いていたという事実を目の当たりにしただけだとしても。
私はその時の溢れる感情を抑えることが出来ず。
5日間の経験を胸に刻むのだった。

今日も出逢えてありがとう。
私と過ごす時間をありがとう。

また明日。
また会える日まで。
ありがとう。
さようなら。
::::::

帰国して、ホストのパパとママにお礼のメールを送ったら、ママから返信があった。
「昨日ね、夫があなたの作ったカレーを再現して作ってくれたのよ。美味しかったけど、あなたの料理には及ばなかったわ。またすぐに会おうね。」と書いてあった。

その一文を読んで、涙する。
私の涙腺が弱いのは今更だけど、やっぱり誰かに愛されたり、繋がれることの歓びはそこに行って、その人達と触れて、同じ時間を過ごせたから。

貴重な経験をありがとう。
一期一会だとしても。

その時間は私の宝物になり、これから出逢う誰かにつながる。

 

前田カオリコ
コミュニケーション・コンサルタント
登録商標 魅話力(みわりょく)

1976年生まれ 新宿区在住
2児の母

株式会社リコラボ 代表取締役
新宿区発のママ*サークル「ブルーミング・マム」代表
1期・2期 新宿区子ども・子育て会議委員
2016/2017年度 新宿子育てメッセ 実行委員長
日本メンタルヘルス協会 研究修了カウンセラー
昭和女子大学 元社会人メンター

 

 

 

 


母の脆さ

「あのね、帰るときにRがね、ケンカしてAくんを怪我させちゃったんだって。」
と、先に下校した小6の娘が言う。

こういう話に慣れることはなく。
サーッと自分の血の気が引くのが分かる。

娘から事情を聞いていると、インターホンが鳴る。
出れば、同じ小学校の女の子達が3人。
学年が全員違うけれど、みんな知り合いの子達だ。

それぞれに報告をする。
息子は帰ってこない。
「今、先生が来て話をしているから。」とのこと。

「分かった。じゃあ、これから学校に行ってくるから大丈夫よ。
教えてくれてありがとう。」

そう言って、支度をして出て行く私。
動悸がするけれど。
またかと思いながら。
今度は、怪我をさせた?! させられた? 程度は?

あぁ、私は母親なんだと痛感する。
この子を育てながら。
息子の感情のコントロールの難しさに。
本人も、さぞ苦しかろうに。と。

学校の校庭で、担任の先生と息子の姿をみて。
ほっとしながらも、話を聞く。

息子を帰宅させて。
事情を聞きながら、涙が落ちる。
張り裂けそうになるのは、どうしてでしょう。
きっと、病み上がりで心が弱っていただけなのだろうけれど。

はぁ。無事ですか。
そうですか。

そうして、帰宅する私。
気丈で居られる母でありたいと思いながら。

 

 

前田カオリコ
コミュニケーション・コンサルタント
登録商標 魅話力(みわりょく)

1976年生まれ 新宿区在住
2児の母

株式会社リコラボ 代表取締役
新宿区発のママ*サークル「ブルーミング・マム」代表
1期・2期 新宿区子ども・子育て会議委員
2016/2017年度 新宿子育てメッセ 実行委員長
日本メンタルヘルス協会 研究修了カウンセラー
昭和女子大学 元社会人メンター

 


驚くことではないのだ(発達障害編)

2ヶ月後に息子(小3)と二人でサンフランシスコへ行くことにした。
ちょっとしたタイミングが重なり、これは!と思い立ったのだけれど。

おやおや、息子のパスポート期限が切れている。
更新しなくちゃ。と謄本を取りに行き、申請書に記入をした。

航空券の手配をするためにはパスポートがなくちゃね。と、
学校から帰った息子に声を掛ける。

「これからパスポートの更新に行くよー。」
「は?なんで?今から?行かない。」
「オレは命令されるのが大嫌いなんだ。」
「そういうのは土・日の休みの日にしてくれないかな。」

はいはい。
ママは驚きませんけどねー。

「じゃあさ、代理で提出するから、証明写真だけ撮りに行こうよ。」
「だから、無理。行かない。」

「ふーん。分かった。じゃあ、週末に行こうね。」
「だからさー、何度も同じこと言われるのもイヤなんだよね。」

そんなやり取り。

サンフランシスコも行けたらいいなーと思ったけど。
最終的に行けなくても仕方ないか。という心持ちで。
息子のために行こうと思っていたけれど。
それを無理矢理連れて行くことでもないかなと考え直したり。

こちらの都合では動かないらしい。
本人が納得するまで。

こうやって書いていると、どこもおかしなところはない。
ただ息子は、私の段取りに合わせなかっただけだ。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「機嫌を損ねないように。」
私の子ども時代を思い出す。

「あなたはねー、本当に気難しかったわよ。
だって、『これお願いできる?』って言っても
すぐに『イヤだ。』って逆らってばっかりで。

ホント、何を言えば怒るのか分からないから大変だったわよー。と母。

そう。
息子は私に似ている。
「これ、やってくれない?」という母の依頼の言葉に。
「これ、やっておいてねー。」とお願いすればいいのに。
どうして、選択肢をわざわざ持たせてイエスと言わせるのだろう。
そういう回りくどさにイラッとした。

本来のコミュニケーションでは、この相談するような声掛けが有効だと言われている。
それでも。
やっぱりそれは受け手次第。
話し方とは、相手次第なのだとつくづく感じる。

私がコミュニケーションを仕事にするようになったのは、必然な気がする。
人は変わるし、成長するから。

息子の姿を見ながら。
私は今日も自分と向き合う作業に入るのだった。

 

 

前田カオリコ
コミュニケーション・コンサルタント
登録商標 魅話力(みわりょく)

1976年生まれ 新宿区在住
2児の母

株式会社リコラボ 代表取締役
新宿区発のママ*サークル「ブルーミング・マム」代表
1期・2期 新宿区子ども・子育て会議委員
2016/2017年度 新宿子育てメッセ 実行委員長
日本メンタルヘルス協会 研究修了カウンセラー
昭和女子大学 元社会人メンター

 


発達障害のこと

今朝、息子が学校に行きたくない。と、泣きながら布団に包(くる)まって言った。

その10分前は、学校の支度を整えていて。
後は時間になったら家を出るだけだったのに。

時々、ひとりでリビングで布団を敷いて寝る息子。
昨晩もそうだったので、学校へ行く前にお布団を畳んでから行ってね。と再三伝える。
そのことが最終的に引き金になったのか。
彼の中で「命令されること。」(やりたくないことを強制的に言われること)で、イヤな感情が芽生え、そのまま様々なことがフラッシュバックしたらしい。

登校の時間になっても動かない。
どうしたの?と聞いても微動だにしない。
あぁ、始まった。

その思考回路は、前回の旅で本人から聞いた。
(長崎旅行のスケジュールが大幅に変更になった件)

一度、イヤな気持ちになるとそれまでに経験した不当な嫌な数々を思い出すという。
あのとき、誰々がどういうことをした。いやなことを言われた。ボールを投げられた。しつこく押された。など。

ひとつのことがキッカケで全く別の記憶まで思い出すことになり、身体が動かなくなる。嫌な気持ちに縛られて気分が沈み、涙まで流す。

だから、急に学校に行くこと自体が出来なくなる。
その時の気持ちが「今」の状態になり、動けなくなる。

うんうん。分かるよ。分かる。分かりすぎるよ。
誰が何と言おうが、その場凌ぎで謝られても自分の気持ちが落ち着かなければダメなのだということ。

それでも息子は、やっぱり空気を読むのが苦手だ。
そもそも、空気など読まない。読もうとしない。読む必要も感じていない。

ママが仕事に行くと伝えても。
学校で授業があると伝えても。
楽しみにしている行事があっても。
誰が待っていると話しても。
先生から電話があっても。

とにかく、どんなアプローチがあったとしても解決するのは時間だけなのだ。
それが、根本的な改善かということとは別として。

ただただ家に居るというのは、つまらないもので。
ゲームもテレビもしない状態で、次第に飽きて来たらしい。
丁度、ノートが切れていたので通学路の途中にある文房具屋さんまで歩いて向かった。
(まだ授業をやっている時間帯)

今日は、「まなびの教室」がある日。
息子が夏休み明けから指折り数えて楽しみにしていた授業の再開。
(それがあっても、学校に行かないと決めたらテコでも動かない。)
その先生が、たまたま授業を終えて帰るところに出くわした。

その時に掛けてくれた声に、わたしが泣きそうになる。
「おー、そうかそうか。家から出て来たんだね。それで大丈夫だよ。
君のままでいいからね。大丈夫。」

そう言って、息子の腕をさすりながら顔を見て話してくれていたのに。
息子はばつが悪そうに頭を回して返事もろくにしない。

母というのは、どうしてこんなに弱くて強く居ようとするのだろう。
わたしはどうすることも出来ず。
その子のことを思いながら、ひとりでは抱えきれない育児と向き合う。
力を貸してくれる人がいるからこそ。
息子の成長を一緒に見守ってくれる人が居るのだという安堵感に。
わたしはたまらなく涙が込み上げてくる。

 

明日は、気分が変わって学校に行けるだろうか。
育児に正解がないとしても。
ないからこそ、試行錯誤しながら自分と向き合う。

発達障害。
それは分かりにくいけれど。
私もその性質を持っている。
そして、知っている。
この特徴のあることで、喜怒哀楽が豊かであることも。

私は自分の個性が好き。
そして、そのことで沢山の人に助けられて、支えられて生きているから。
マイナスな個性にせず、息子の特徴だということを理解しながら。

ただ、まだ息子はその感情のバランスの取り方が分からない。

私が文章を書くように。
言葉を使って表現するように。
日々の成長の中で、本人らしいバランスの取り方を見つけられるように。
ママはサポートすることしか出来ないのだから。

 

前田カオリコ
コミュニケーション・コンサルタント
登録商標 魅話力

1976年生まれ 新宿区在住
2児の母

株式会社リコラボ 代表取締役
新宿区発のママ*サークル「ブルーミング・マム」代表
1期・2期 新宿区子ども・子育て会議委員
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