時々無性に活字に飢える。
日々のあらゆることに向き合いながら、
自分と向き合う時間をおろそかにしていたことを思い出す。
旅先で一冊の本と出逢った。
原田マハ著「さいはての彼女」
彼女の名前は何度も目にしていたけれど。
どうにも最近は横着者になっていて、
読んだことのない作家の本を手にすることをしなかった。
完全に惰性だった。
私は彼女の本に没頭し、自己投影する作業で自分を浄化した。
旅から戻ってすぐに、図書館で予約をして借りた数冊の本。
それを媒体に、私は自分が涙を流すことを許した。
ぐずぐずになりながら、翌朝は目が腫れるくらいに泣いたのは久しぶりで。
鏡に映る自分のやぼったい顔とは裏腹に、すっきりとした私がいた。
ストレスは涙で浄化するのだから。
抱えているものを洗い流すには、きっかけが必要だった。
映画がその役割を果たしてくれることもあれば、活字がそうであることが多い。
抱えているものを手放す。
身体に蓄積されたものを解放させる。
その手段を忘れてしまうと。
いつしか余裕がなくなり。
人にも自分にも優しくなれなくなってしまう。
アナログの時間を忘れないようにしながら。
デジタルネイティブの世代は。
どうやってバランスを取っているのだろうか。
ふとそんなことが気になって。
明日、娘に聞いてみようと心に留める。
中学生になった我が子との会話は、
母としての別の喜びや愉しさをもたらしている。
親としてできることを。
たっぷりの愛情を注ぐことを。
笑い声のある家族でいられるように。
私は自分でバランスを取ることで、
再び自然体でいられることに感謝する。
前田カオリコ
フリーアナウンサー
コミュニケーション・コンサルタント
登録商標 魅話力(みわりょく)
1976年生まれ 新宿区在住
2児の母
一般社団法人ブルーミング・マム 代表理事
株式会社リコラボ 代表取締役
1期・2期 新宿区子ども・子育て会議委員
2016/2017年度 新宿子育てメッセ 実行委員長
高校時代にロータリークラブの青少年交換留学生として1年間アメリカ・ミネソタ州に留学。
ヨーロッパ・アメリカ・カナダ・アジア各国の学生との交流により価値観の多様性に触れる。
子連れホームスティ・三世代ホームスティなどを経験。
「自分が大好きになる子育て」をテーマに子育てに関する講師としても活動。