つどい先生流*子育てのコツ ~ママと子どもの笑顔のために~ vol.5発想を転換する

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みなさま、お子さんとの夏休み、いかがお過ごしですか?

夏休み前に幼稚園、小学校ママたちとお話をした時、次の二通りのママに出会いました。

どこに連れて行ってあげようか?
どんな体験をさせてあげようか?
と、楽しみにしているママ。

毎日子どもがいるなんて大変!
毎日お昼ごはん(お弁当)を作らなくてはいけなくて面倒!
と、憂鬱になっているママ。

あなたはどちらでしょうか?

どちらかというと、夏休みは大変!と思っているお母様の方が多いかなという印象だったので、
今日は、「発想を転換する」というお話をしたいと思います。

どういうことか?

私にとって夏休みは、子どもとゆっくりじっくり一緒に過ごせるとても貴重な時間です。
だって、子どもがママ、ママってくっついて来てくれて、ママと一緒に遊びたい!お出かけしたい!なんて思ってくれる時期は、ほんの10年ぐらいなものなんですよ。
気づいていましたか?

10歳をすぎれば、早い子で思春期にさしかかり、そうでない子もだんだんと家族より友達との予定が優先されてきます。
中学受験を考えているお子さんなら、夏休みは毎日塾通いという生活になるかもしれません。
さらに、中学生にもなれば、部活で忙しくなったり、親と旅行なんて行かない!と言い出したり、親離れは加速していきます。

そう考えると、子どもがママと一緒に過ごしたがっているわずか10年のうちの、夏の1カ月というのは、どれほど貴重な時間かを感じていただけるのではないでしょうか?
それが、一つ目の「発想の転換」です。

それでも、やはり四六時中子どもと一緒だと、ついイライラしてしまうママは多いと思います。

もちろん、私も一人の人間ですから、娘たちにイライラすることもあれば、声を荒げて怒ることだってあります。
それは、当然です。
誰にだってありますよ。

ただ、毎日のようにイライラと子どもに接してしまうママに比べて、イライラの頻度はかなり低いと思います。
それは、子どもに対する見方や発想が違うのです。

私にとって、子どもは天使です。
その子どもを悪魔にしてしまうのは、親を中心とした環境だというのが私の考えです。
だから、子どもにイライラする前に「環境調整」をしたりママの「見方や考え方を変えてみる」のです。

例えば…

目の前にはしゃぎ回る子どもがいたとします。
「騒がしくて嫌だわ!」と思えば、その子は「うるさい子」となりますが、
「子どもらしくて微笑ましいわ。」と思えば、「かわいい子」となるでしょう。
その子どもをどうとらえるかは、あなたの見方次第、心のもち方次第というわけです。

最近、イヤイヤ期、魔の2歳児の育て方についての相談を受けることが度々ありました。

「イヤイヤ期」「魔の2歳児」どちらもマイナスの言葉で私は好きではありません。
そういう時期だと思って子どもを見ると、
「あぁ、また始まった!やっぱりイヤイヤ期真っ只中だわ!」
と、何でも「イヤイヤ期」のせいにしてしまいます。
そして、ママの方もイライラ期に突入。
悪循環が生まれます。

イヤイヤ期を私流の言葉で表すと、
「自己主張が始まる時期」
「言葉がうまく伝わらないつらさを表現している時期」
「イヤイヤ期」なんて表現じゃ伝わらない大事な時期。
これが、「発想の転換」です。

自分の意思が出てくるなんて、乳幼児期にとってとても嬉しい成長ですよね?
でも、言葉の発達がまだまだ未熟なので、その意思をママにうまく伝えきれず、イヤイヤ!という形で表現してしまうのです。
「イヤイヤ!と反抗している」のではなく、「つらいよ~!わかってよ〜!とママに助けを求めている」と考えたら、愛おしくなりませんか?
怒るのではなく、何とか理解して手助けしてあげたいと思うのではないでしょうか?
「どうしたの?」「それがイヤなんだね。」「◯◯がしたいのかな?」と、子どもの気持ちに寄り添った言葉かけが自然と出てくるようになるかもしれません。

また、小学生の子どもが宿題をやりたくないとグズグズ言い出したとします。
「グズグズ言ってないで早くやりなさい!」
というのが多くのパターンだと思うのですが…

私の場合。(夏休み前の出来事です。)

「どうしたの?お腹空いた?眠い?」
などとその時の様子を見て声をかけます。

「お腹空いたから、先におやつ食べたい。」
という返事。

「じゃあ、ここまでやったらおやつ食べようか?」
と、3問ぐらいの簡単なハードルを与えて、宿題を早くやってほしいママの気持ちと早くおやつを食べたい娘の気持ちの妥協点をみつけます。

娘は、わかった!と3問だけ解いて、喜んでおやつを食べます。

すると、どうでしょう!
おやつを食べて満足した娘は、残りの宿題をいつもの倍のスピードで終わらせてしまいました。

「早く宿題やりなさい!」
「宿題が先、おやつは後っていうルールでしょ!」
という親子の姿が想像できますが(私も本音は同じですが)、そこにこだわる必要はあるかな?と「発想の転換」をしてみるのです。
そして、先におやつを食べさせるという「環境調整」をするのです。

宿題については、今じゃなくても寝るまでに終わっていればいいか!
と考えたら、気持ちが楽になりませんか?
遅くなったら眠くなっちゃうし…
という心配や葛藤もあるかもしれませんが、極端に言えば翌朝やっても、提出に間に合えばいいんですよ。
それに、もし朝もできなくて宿題忘れになったら、その日は先生に叱られてくればいいんです。
それぐらいの気持ちの余裕も、ママには必要でしょう。

ママに100回叱られるより、先生に1回叱られた方が、恥ずかしくてすぐに効果が出るということもありますよ。

いかがでしたか?
イヤイヤ期と宿題を例にお話しましたが、子どもにイラっとする場面で、ぜひ「発想の転換」と「環境調整」をしてみてくださいね。
きっと、イライラ育児から解放されますよ。

最後に…
ある講演会で大学の先生が言っていたおもしろい言葉を紹介します。

「男の子は、カブトムシだと思って育てなさい。」

え?どういうこと?
カブトムシを飼っているとして、そのカブトムシに対して、
「なんであなたは穴ばっかり掘ってるの!」
「また土の中に潜って!早く出てきなさい!」
と怒る人はいませんよね?

大抵の人は、
「カブトムシっておもしろいなぁ…」
「見ていて飽きないよなぁ…」
と思って育てるでしょう?

という意味の例えだそうです。

これからの夏休みもあと1カ月!
カブトムシを飼うような大らかな気持ちで、子どもをじっくり見て、楽しみながら育ててみてくださいね。

ママたちにとって、貴重な夏休みになりますように…☆

つどい
 

 

 

 

子育てアドバイザー 集~tsudoi~

13歳と7歳の娘をもつ教育者。

13歳と7歳の娘をもつ教育者。
小学校の担任教師として7年間勤務。

娘が4歳の時に退職。当時の長女は、朝一番に保育園に預け、
一番最後にお迎えに行くという生活。
娘との時間を十分取れないことが、娘の成長によくないことだと一番わかる職業だったため、母親としての立場を優先し、退職を決意。
その後は、小学校にて、発達障害(自閉症スペクトラム・ADHD・LDなど)や愛着障害の子どもたちをサポートする仕事に転職。
教育現場で子どもたちと関わって16年。
様々な子どもたちと関わり、教育してきた経験から、独自の育児論を持ち、それを娘たちの育児の中で実践中。

また、趣味の延長でフラワーアレンジメントのディプロマを取得。
自宅レッスンやウェディングブーケ制作なども行っている。

実績:
スリーエム ジャパン株式会社「子育てセミナー」
教員向け夏季研修・新人研修


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