つどい先生流*子育てのコツ ~ママと子どもの笑顔のために~ vol.8自己肯定感の高い子に育てる

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みなさん
前回は子どもの問題についてお話しましたが、今日は子どものサインを見逃さずに育てたらどのような子に育つかについてお話しますね。
vol6の中で説明した「自己肯定感」。
今回はその続編「自己肯定感の高い子に育てる」というお話。

みなさんは、「自己肯定感の高い子」と聞いて、どのような子を想像しますか?
明るくて、勉強ができて、クラスのリーダー的な存在の子が思い浮かぶでしょうか?

私が思い浮かべるのは、
「笑顔の生き生きとした子」
「誰にでも優しくできる子」です。

私が今まで出会った子の中で「笑顔の生き生きとした子」と言われて真っ先に思い出すのは、発達障害(アスペルガー症候群)をもった6年生の男の子。
書字障害、聴覚過敏などいくつかの困り感を抱えた子でしたが、自分の障害を受け止め、本当に生き生きと生活している子でした。
アスペルガーの有名人を調べ、将来はそのような偉人になりたいと希望を抱いていたのがとても印象的でした。
障害があってもなくても、親の接し方ひとつで「自己肯定感」は育むことができます。

みなさんは、東田直樹さんという方を知っていますか?
会話のできない重度の自閉症の方なのですが、文字盤やパソコンを利用して執筆をしています。
13歳のときに執筆した本『自閉症の僕が跳びはねる理由』(エスコアール)は、自閉症者の内面を描き、その後は翻訳され、20カ国以上で出版されました。
その著者が、22歳の時に書いた『跳びはねる思考 会話のできない自閉症の僕が考えていること』(イースト・プレス)の中でこんなことを書いています。

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幼かった頃、家族は僕の様子を観察し、泣いている原因を探そうとしましたが、理由はさまざまでした。(中略)
母は僕が泣くと「つらかったね」「悲しかったね」と言って、よしよししながら抱きしめてくれました。
父や姉から、泣くなと注意されたこともありません。母の腕の中で、泣きたいだけ泣くことができたのは、本当に幸せでした。
僕の望みは、気持ちを代弁してくれる言葉かけと、人としての触れ合いだったと思います。
どんな自分も受け止めてもらえるという体験ができたからこそ、僕は壊れずに生きてこられたのでしょう。
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もう一人、私の出会った5年生の女の子を紹介します。

彼女はとても頭が良く、クラスのやんちゃな男子の面倒を見るのも上手なタイプの子でした。
4年生の頃から女子特有の仲間外れや悪口などのトラブルに度々巻き込まれるようになり、クラス替えをした5年生になっても続きました。
次々とターゲットが変わるような人間関係に悩まされた後、彼女は「一人でいる方が楽」という決断をしました。
女子グループから離れ、休み時間は男子と遊ぶか、一人で本を読むようになりました。
しかし、担任から見た彼女は、全く寂しそうには見えず、むしろスッキリして清々しく見えました。
実際に「あの子たちと一緒にいると、悪口ばっかりでつまんない。一人で本読んでる方が楽しいよ。」と、彼女は話してくれました。
合わない女子グループに所属して悩むよりも、一人の方が本当に気楽だったのでしょう。
仲間外れにされて一人になるのではなく、自ら一人でいるという選択をできた彼女を支えていたのは「私は私のままで大丈夫」という「自己肯定感」です。
その子のお母様は、「いつもあなたの味方だよ。」「本当の友達は一人でもいれば十分なのよ。」と、温かく見守っていたそうです。

親が子どもを丸ごと受け止め、たっぷりの愛情で包み、育てることこそが、子どもにとっての自己肯定感となります。そして、何があっても壊れない心の強さとしなやかさが育まれていきます。

また、自己肯定感の高い子は、人に優しい子でもあります。
子どもって、自分が認められ、優しくされていないと、人には優しくできないものなのです。
いくら「お友達には優しくしようね。」と声をかけても、できるものではありません。
自分の心が満たされていないと他人どころではなく、自分を守ることに精一杯ですからね。
自分の心が満たされて、自分を好きになって初めて、人に優しくできるのです。

これは、ママにも言えること。
まずは、ママ自身が自分を丸ごと受け止め、好きになるところからスタートなのかもしれません。

自己肯定感の高い子。
それは、強くてしなやかな心をもち、人に優しくできる子なのです。

みなさんのお子さんは、どう育って欲しいと考えていますか?

まずは、お子さんの良いところも悪いところも含めて、丸ごと受け止める。
「失敗したっていいんだよ。」
「間違えたっていいんだよ。」
「あなたはあなたのままで十分素敵だよ。」
そう思うことから始めてみませんか?

そして、ママたちには私から同じ言葉をかけてあげたいです。
「子育て、毎日頑張っているよね!」
「失敗したっていいんだよ。」
「ママはそのままで十分素敵だよ☆」

この言葉で、ママと子どもたちが笑顔になれることを願って…☆

つどい
 

 

 

 

子育てアドバイザー 集~tsudoi~

13歳と7歳の娘をもつ教育者。

13歳と7歳の娘をもつ教育者。
小学校の担任教師として7年間勤務。

娘が4歳の時に退職。当時の長女は、朝一番に保育園に預け、
一番最後にお迎えに行くという生活。
娘との時間を十分取れないことが、娘の成長によくないことだと一番わかる職業だったため、母親としての立場を優先し、退職を決意。
その後は、小学校にて、発達障害(自閉症スペクトラム・ADHD・LDなど)や愛着障害の子どもたちをサポートする仕事に転職。
教育現場で子どもたちと関わって16年。
様々な子どもたちと関わり、教育してきた経験から、独自の育児論を持ち、それを娘たちの育児の中で実践中。

また、趣味の延長でフラワーアレンジメントのディプロマを取得。
自宅レッスンやウェディングブーケ制作なども行っている。

実績:
スリーエム ジャパン株式会社「子育てセミナー」
教員向け夏季研修・新人研修


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