つどい先生流*子育てのコツ ~ママと子どもの笑顔のために~ vol.7子の問題は親の問題

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みなさん 
前回お話した詩「子は親の鏡」を読んでみていかがでしたか?
「胸に突き刺さり、涙があふれてしまった」「自分の今までの子育てを反省した」などとのお声をいただきました。
反省して自分を責める必要はないですが、今日からの子育てが少しでも変化したらいいなと思っています。

さて、今回はその続編です。
「子の問題は親の問題」というお話。

「たまごっち」というおもちゃを知っていますか?
毎日お世話をしてあげて、キャラクターをたまごからかわいい大人に成長させるゲーム。
今のたまごっちには「あいじょー」というパラメータ表示があり、
これが足りないと昔でいうツッパリや悪魔の姿をした大人に育ってしまうんです。
でも、そこから頑張って育てると、かわいい大人に変身。
子ども向けゲームながら、核心をついていて、よくできています。
今日はそんなお話です。

子どもって、毎日何かしらの形で自分の心の状態を発信しています。
気づいていましたか?

簡単に言うと、
「ご機嫌の良い時は、心が満たされている時」
「ご機嫌の悪い時は、ママに何らかのSOSを出している時」です。

私がまだ担任として夜遅くまで働いていた頃、
成績をつける時期・学芸会の前など、忙しい時に限って娘が熱を出し、仕事を休まなくてはいけなくなっていました。

働いているママさんなら、この
「忙しい時に限って子どもが熱を出す」
という経験を少なからずしているのではないでしょうか?

これを子ども側の言葉に言い換えると、
「ママが忙しいから熱を出す」のです。

つまり、ママが忙しくてあまり自分を見てくれないことで愛情不足になり、
「ママもっと私を見てよ~!かまってよ~!」とサインを出している状態。

そして、病気になって、ママと一緒にいたい想いを叶えようとします。

私は、「子どもの病気はSOSのサイン」と思い、自分と子どもの関係を振り返るバロメーターにしています。
忙しいなら忙しいなりに、短い時間でも子どもをギューっと抱きしめる時間を持つこと。
これだけで、「忙しい時に限って…」がかなり減ります。

これ、事実です。

私の娘は、私の退職後、全く熱を出さなくなりました。
娘と接する時間が増え、きっと愛情不足がなくなったんですね。

もう1つの事例として、
私の友人は、毎日夕飯を残して遊ぶ息子くん(2歳)に数日間悩まされた後、
夕飯前にお膝に乗せて一緒に遊ぶ時間を意識的に持ってみたそうです。

すると、その日はお行儀よく夕飯を完食!
ママに遊んでもらって心が満たされているから、ママを困らせるサインを出さなくてよくなったというわけです。

また、日常的なことで言うと、
これから出かける!という時に限って、子どもがグズッて出るのが遅くなってしまった、遅刻してしまったなんていうことはありませんか?
これも、ママの気持ちが焦っているのがそのまま子どもに伝わり、子どもの機嫌が悪くなっているんですね。
子どもがグズグズ言っている時は、子ども側に原因を見出すよりも、ママの心の状態を振り返った方が解決への近道かもしれません。

では、そのSOSを見逃してしまうとどうなるのか?

病気やイヤイヤ!でママを困らせてもママが変わらない場合…
保育園、幼稚園、学校などで問題行動を起こします。

友達に意地悪をしたり、乱暴をしたり…
悪い言葉を使ったり、先生に反抗したり…
乳幼児なら、毎日のイヤイヤがエスカレートしていくことでしょう。

実際に現場で対応した事例をご紹介します。

小学2年生の男の子で、すぐに友達の物を盗ってしまう子がいました。
困ったお母様が私のところに相談しに来てくれたので、家で何か変わったことはないか尋ねました。

その子は母子家庭で、月に1回お父様と遊ぶ日を作っていたそうです。
しかし、数ヶ月前から父親に会わなくさせたと…

それだ!と思った私は「お父様に会う日を再開してもらえないか?」と提案しました。
お母様がそれを受け入れてくださると、その子の盗みはピタッとなくなりました。

その子の問題行動は、「パパに会いたいよ~!」というサインだったのです。

また、小学4年生の女の子で、万引きをしてしまった子がいました。
学校では、成績も優秀で活発な子だったので、なぜあの子が?と、先生たちは驚きました。
ご両親と面談し、ご家庭の様子を伺うと、
自営業だったご両親が支店を増やし、ここ数ヶ月とても忙しかったということが分かりました。

それが原因だったと気づいたご両親は、その日から娘さんと接する時間を意識的にもつようにしてくださり、
それ以降、その子は問題を起こしませんでした。
その子もやはり、「パパ、ママ、もっと私を見てよ~!」というサインを万引きという形で出したんですね。

問題を起こせば、親の意識は自分に向く。
悲しいことですが、そうでもしないと親の気持ちを受け取れない状況にまで子どもたちが追い込まれてしまった結果です。

中には、子どもに発達障害があり、癇癪やこだわりがひどかったり、学校や園で問題を起こしたりと、対応に困っているママさんもいると思います。
でも、実はこれも障害だけが問題行動の原因とは言えないんです。

やはり、親子関係や周りの人の対応が大きく影響しています。
私は、発達障害があっても親子関係を改善することで、見違えるように落ち着いた子もたくさん知っています。
このお話は、また改めて…

子どもの問題から、自分の親子関係を見つめ直す。
子どものサインを見逃さない。

意識するだけで、すぐに気づくようになります。
だってみなさんは、その子のたった一人のママ(パパ)なんですから。

子どもに何か変わった様子があったら、目の前で起きたことを怒るより先に、何に不満なのかな?と親である自分を振り返ってみてくださいね。

子どもは、ただまっすぐにママやパパの愛情が欲しくて、助けを求めているだけなのです。

つどい
 

 

 

 

子育てアドバイザー 集~tsudoi~

13歳と7歳の娘をもつ教育者。

13歳と7歳の娘をもつ教育者。
小学校の担任教師として7年間勤務。

娘が4歳の時に退職。当時の長女は、朝一番に保育園に預け、
一番最後にお迎えに行くという生活。
娘との時間を十分取れないことが、娘の成長によくないことだと一番わかる職業だったため、母親としての立場を優先し、退職を決意。
その後は、小学校にて、発達障害(自閉症スペクトラム・ADHD・LDなど)や愛着障害の子どもたちをサポートする仕事に転職。
教育現場で子どもたちと関わって16年。
様々な子どもたちと関わり、教育してきた経験から、独自の育児論を持ち、それを娘たちの育児の中で実践中。

また、趣味の延長でフラワーアレンジメントのディプロマを取得。
自宅レッスンやウェディングブーケ制作なども行っている。

実績:
スリーエム ジャパン株式会社「子育てセミナー」
教員向け夏季研修・新人研修


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