つどい先生流*子育てのコツ ~ママと子どもの笑顔のために~ vol.4比べない子育て②〜みんなちがって、みんないい〜

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前回、兄弟姉妹で比べない子育てのお話をしましたが(コラムvol.3)、今日はその続きです。

「比べない子育て②~みんなちがって、みんないい~」のお話です。

ママたちはなぜか、子どもが生まれてからいろんな場面で自分の子と他の子を比べたがりますよね。

赤ちゃん時代は、

「○○ちゃんは何ヶ月で寝返りがうてたのに、うちの子はまだできないの。」とか、

「○○ちゃんは何ヶ月で卒乳したんだって。うちも早くしなきゃ。」とか。

保育園や幼稚園に入ってからは、

「うちの子、3歳なのにもう字が読めるのよ。」とか、

「○○くんは、なわとびが○回とべるんですって。」とか。

どうしても気になっちゃうんですよね。

わが子が一番かけがえのない存在なはずなのに、どこかで他の子と比べてしまう…

そして、一喜一憂したり、子どもを追い立てたりしてしまう…

でも、考えてみてください。

小学1年生になったとき、クラスの友達が赤ちゃんの頃、何ヶ月で寝返りをうったとか、何歳まで母乳を飲んでいたとか、気になると思いますか?

大人になってから、自分は何歳で字が読めるようになったとか、小学校入学前になわとびが何回とべたとか、自慢しても意味がないですよね?

長い成長過程で見たら、他の子との成長の差なんて、ほとんど気にならないと思いませんか?

小学校に入るまでには、ほとんどの子が自然とオムツが取れます。

2歳で出来ようが、5歳まで掛かろうが、小学校にオムツをつけて通う子はほぼいないでしょう。

我が子は、4歳過ぎまで、夜はオムツをして寝ていました。

子ども自身がおねしょの心配をしていたので、

本人が「もう大丈夫!」と安心できるまで、無理にやめさせませんでした。

無理に早くやめさせようと思うと、ママがイライラと焦るだけで何もいいことはありません。

また、ひらがなは小学1年生で習うものです。

幼児期の子は、鉛筆をうまく握って操作することが難しく、ひらがなは書けても字形を整えることは難し

いです。逆に、幼児期に書くことをたくさんさせられている子は、正しい字形に修正するのが難しいというケースもあります。

小学校入学前の保護者会では、「自分の名前のひらがなは読めるようにしておいてください。」との説明があると思います。

それで十分です。

3月生まれの1年生の娘は、まだ鉛筆を持つ指がうまく動かないことが見ていてわかります。

一生懸命に書いているのに、お手本の文字のようなカーブが書けなかったりするのです。

先生に赤ペンで直されて悔しい思いをしていますが、そのうち指がうまく動くようになるだろうと、励ましながら見守っています。

ただ、時間が解決してくれるものですから。

受験をすると、「偏差値」というものがついてまわります。

これは、人と比較しただけの数値です。その集団の中でどのくらいの位置にいるかを表すものです。

平均点を偏差値50として、そこからどれくらいできているか、できていないかを数値化したものです。

そのテストを受けた人がみんなよくできていたら平均点が高くなるので、同じ点数を取っても偏差値は低く出ます。

合格ラインの参考にはなりますが、その数値で子どもを判断するのは違います。

私はいつも娘に、「偏差値が上がったとか下がったじゃなくて、どの問題を間違えたのかを見ることが大事だよ。」と教えていました。

人と比較した数値で、我が子の実力は見えません。

大切なのは、過去の自分と今の自分を比べることです。

私は、いずれ誰でもできるようになることに関しては、いつできるようになったかは気にせず子育てをしています。

そして、いつでも、わが子が一番いい子!と思って育てています。

誰と比べたわけでもありません。

だって、どのママにとっても自分の子が一番かけがえのない存在じゃないですか?

いい子!と思って育てていると、本当にいい子になっていくものなんです。

このお話は改めて…

ここで、みなさんに私の大好きな詩を紹介します。

学級担任をしていた頃は、必ず4月にクラスの子と保護者に紹介していました。

「わたしと小鳥とすずと」 金子みすゞ

わたしが両手をひろげても、

お空はちっともとべないが、

とべる小鳥はわたしのように、

地面(じべた)をはやくは走れない。

わたしがからだをゆすっても、

きれいな音はでないけど、

あの鳴るすずはわたしのように

たくさんなうたは知らないよ。

すずと、小鳥と、それからわたし、

みんなちがって、みんないい。

(「金子みすゞ童謡集 わたしと小鳥とすずと」 JULA出版局)

「みんなちがって、みんないい。」

私の大好きな言葉です。

その子はその子の育ちのペースでいいのです。

(発達的に遅れがあるというのであれば、早く気づいて対処してあげることがとても大切なのですが…)

子どもは毎日必ず、少しずつ成長しています。

今日できるようになったこと、昨日より成長したことに目を向けて、目の前のわが子の成長を一緒に喜んでいきましょう!

誰より早いとか遅いとか、誰よりできているとかできていないとか、意味のない比較はやめませんか?

そこを気にしなくなったら、子育てがぐんと楽に、楽しくなると思いますよ。

つどい
 

 

 

 

子育てアドバイザー 集~tsudoi~

13歳と7歳の娘をもつ教育者。

13歳と7歳の娘をもつ教育者。
小学校の担任教師として7年間勤務。

娘が4歳の時に退職。当時の長女は、朝一番に保育園に預け、
一番最後にお迎えに行くという生活。
娘との時間を十分取れないことが、娘の成長によくないことだと一番わかる職業だったため、母親としての立場を優先し、退職を決意。
その後は、小学校にて、発達障害(自閉症スペクトラム・ADHD・LDなど)や愛着障害の子どもたちをサポートする仕事に転職。
教育現場で子どもたちと関わって16年。
様々な子どもたちと関わり、教育してきた経験から、独自の育児論を持ち、それを娘たちの育児の中で実践中。

また、趣味の延長でフラワーアレンジメントのディプロマを取得。
自宅レッスンやウェディングブーケ制作なども行っている。

実績:
スリーエム ジャパン株式会社「子育てセミナー」
教員向け夏季研修・新人研修


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