特集インタビュー「新宿の花開くママ達」 vol.8 これまでのキャリアとはまったく畑違いでも

田中 桂(Katsura Tanaka)

アロマテラピーサロン「Peu à Peu -プアプ-」セラピスト

プロフィール:旅行会社、銀行勤務を経て2018年4月神楽坂にアロマテラピーサロンを開業
1児の母。新宿区在住。

HP:https://katsura.amebaownd.com/
Blog: https://ameblo.jp/katsurac
Instagram: https://www.instagram.com/peu_a_peu/?ref=badge

 

 

Q1、どんなことをしていますか? (活動・仕事内容について)

アロマオイルを使ったリンパトリートメントのほか、手作りコスメなどのアロマ教室を開催しています。
来年からは地域ボランティアで、高齢者向けのアロマ教室も開催予定です。

 

Q2、何故、このような活動をスタートしようと思ったのですか?(きっかけは?)

一言で表現するのは難しいのですが、会社組織に対する疑問や、育児で抱えている問題、これから起きるだろう問題など、さまざまな理由で、働き方やライフスタイルを変える必要性を感じていました。

例えば仕事では、産後2か月で復帰し、時短を使ったのは最初の4か月のみ。その後はフルタイムで、必要に応じて残業もしていましたが、デスクに座っている時間には制約があります。その分、行き帰りの通勤時間を使うとか、睡眠時間を削って努力をし、他者と同じかそれ以上の仕事をこなしていると自負していました。しかし職場は男性中心で、長時間労働や休日も出勤するのが当たり前。育児中の社員は認められづらい虚しさを感じていました。

育児では、朝早く夜遅い生活で、子どもに十分な朝食や睡眠時間が与えられない、3歳を超えても朝の哺乳瓶やベビーカーが手放せない状況にありました。通勤に片道1時間半近くかかり、毎月のようにある保育園からの急な呼び出しには即時に対応できませんし、子どもが喘息で風邪が重症化しやすく、通院も大変な負担でした。


【参考】ある時期の一日のスケジュール
5:40起床
6:00子どもを起こす(寝ぼけた状態で着替えさせるのがやっと。家での朝食はミルクだけ。)
6:30子どもと家を出る(地下鉄を利用。寝ながらの移動のためベビーカーが手放せない。)
7:10ファミサポさんに預け出勤(子どもは目が覚めれば朝食をいただき7:30ファミサポさんと登園)
8:30~19:10勤務
20:30保育園お迎え
21:15帰宅し夕食、お風呂
22:00~23:00寝かしつけ(なかなか寝ない)


いくつもの役割を担う中で「何かを得るために何かをあきらめなければならない」というトレードオフの関係ではなく、仕事も育児も趣味も勉強も、すべてに幸せを感じ満足していたい。親の介護や自身の体力の衰えなど、近い将来、家族や私に起こるであろう「いろいろ」に、心身ともに無理なく対応したい。
そんな働き方やライフスタイルを模索する中で、個人事業主として一定の自由を手に入れること、幼少期から好きだった「香り」を使って仕事をしている自分の姿がもっとも具体的にイメージができました。
その後約2年かけてスクールでアロマの理論とトリートメントの手技を学びましたが、大変奥深く面白く、手ごたえを感じました。

 

Q3、実際に仕事をして、大変だったこと・印象に残っていることは何ですか?

ほぼなにもかもが、期待や計画どおりにはいきません。
何かを始めることよりも続けることのほうが大変です。

 

Q4、嬉しかったことは何ですか?

事業はまだ軌道に載せる途上にありますが、お客さまがリピートしてくださることが嬉しいです。
また、毎朝子どもにしっかり食事をさせて、おしゃべりや道草をしながら登園すること。当たり前のことが普通にできることが何より嬉しいです。

 

Q5、周りからの反対はありましたか?(家族・夫・子ども・姑・舅・ママ友など)その時、どう思いましたか?

安定した収入を捨てて、未経験の仕事に着手することに夫は反対しました。

予想どおりの反応でした。
しかし、お互いに目一杯という中で、家事や育児の分担の見直しなど小手先の対処では、問題は解決しません。
どちらかが(現実的には私が)働き方を変える以外に方法はないと考えていました。
ただ、働き方として、「いまの仕事のままで時短をとる」「自宅近くの企業に転職する」というのでは、私のやりがいは満たされません。

夫の反応はもっともでしたが、だからといってほかに解があるわけではなく、出口のない会話を続けている間にも問題は大きくなっていきますので、独断で開業を進めました。

 

Q6、その活動の原動力は何ですか? 
(何かを始める・継続することはスゴいこと。読者にヒントを下さいっ。)

これまでのキャリアとはまったく畑違いのアロマテラピーサロンを開業したことについて、「思い切ったね」と言われるのですが、私にはそういう感覚はありません。

これまで、ファミサポさん、職場の方々、実家や親戚など、多くの方にサポートいただいてどうにか回してきましたが、ギリギリのバランスの上に生活が成り立っていて、いつ自分が壊れるとも知れず、ストレスの多い日々でした。
時間が解決してくれる問題ではなく、むしろ時間がたてばたつほど問題が大きくなる中で、すっと導かれた結論でした。

やらなければならないことは、迷いなく自然に降りてくるものだと思います。

 

Q7、将来はどんなイメージを持っていますか? (夢・目標について)

サロンでの活動にとどまらず、地域ボランティアや、学校・企業でのセミナー、香りの空間演出、なども手掛け、幅広い層にアロマを楽しんでもらいたいです。


 

Q8、プライベートではどんな人ですか?(ママ・妻・女性として)

趣味のフラで毎週軽く筋肉痛です。

 

Q9、新宿との縁(ゆかり)について教えてください。(地元?地方出身者?働いている?)

結婚を機に住むようになりました。
以前からよく食事に来ていた神楽坂。街の雰囲気が好きでしたし、それぞれの実家や職場への便もよく、夫婦で意見が一致したのでここに決めました。

私が住んでいる地域についていえば、お祭りや旅行など元々住んでいた方と交流する機会も多く、新参者も割と溶け込みやすい雰囲気があります。
育児をするようになってからは、医療やファミリーサポートなど、区民としてありがたく利用させていただいています。保育園も新宿がもつダイバーシティが垣間見え、子どもが育つ環境としてよいと思います。

 

最後にメッセージをお願いします。

女性が多くの役割を担う中で、「何かがおかしい」「このままではいけない」「苦しい」と思ったら、我慢しないで、周囲のサポートを受けるとか、暮らしを変えるための行動を起こしてください。自分が壊れてしまう前に。
人生に正解はありません。自分や家族のために何をしたらよいのか。真剣に考えて出した結論なら胸を張って貫けばいい。ダメならまたやり直せばいい。
自分に向けてのメッセージでもあります。

 

 

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