現役薬剤師とらちゃんのお薬相談室 vol.3 ~なぜ薬によって飲む時間が違うの?~

ブルーミング・マムのホームページ、そしてコラムを覗いてくださったママの皆さま、こんにちは!!
漢方師のとらいわ ことえです。

とらちゃんのお薬相談室第3回目
今回のテーマは「薬によってなぜ飲む時間が違うの??」

前回漢方薬と西洋薬の、薬の決め方についての違いについて書いてみましたが
それに対してこんなご質問が
「漢方薬は食前服用といわれますが西洋の薬はほとんど食後だと思うのですがなぜ薬によって飲む時間が違うのですか?」

薬によって飲むタイミングが違うのは、病気の状況に合わせて一番効果のでやすいタイミングが異なるからです。
薬はそれぞれ決められたタイミングで飲まないと効果が弱まったり、副作用が出
やすくなったりします。

食事による血糖上昇を抑えるための薬、食事の前に胃の働きをよくする薬は食前に飲むよう指示されます。

また直接胃の粘膜に接して効果を表す薬や、胃に食べ物がないほうが吸収や効果が良い薬などは食間に飲みます。
ここで間違えられることがあるんですが、食間は食事と食事の間のことであり、食事の最中ではない点にご注意くださいね!!

「薬=食後」というイメージが強いと思います。
実は、ほとんどの薬が食べ物に影響を受けず吸収されるものが多く、食後ではなく食前に飲んでも構いません。
ですが、食後のほうが飲み忘れが少ないので食後の指示をしているといわれています。

ただ、食物の消化を助けて胃もたれなどを防ぐ薬・食べ物と一緒でないと吸収されない薬・胃粘膜を刺激するため胃腸障害を起こしやすい薬(抗生物質)などは必ず食後に飲む必要がありますので注意してください。

そんななか漢方薬は食前または食間に飲むように言われています。
その理由は
腸内細菌のはたらきが関係あります!!

漢方薬は腸内細菌によって体内に吸収されます。
漢方薬を構成している糖が、腸内細菌のえさになり、分解され体内に吸収されます。

そのため、食後であると腸内細菌に対するえさとなる栄養分が豊富にあるため、漢方薬が十分に
分解されず、漢方薬の吸収が悪くなってしまうのです。

これではせっかく飲んでも意味がなくなってしまうのです。

ただし、胃腸が弱くて、副作用としての食欲不振、下痢などが出ることがある場合には食後に飲んでもらうことにしています。

このように薬の種類によって飲む時間が違うのは、薬によってチカラを最大限に発揮できる時間が違うからなのです。
薬剤師さんが必ず薬の飲む時間について説明するのは、薬がしっかり効き、早く体調が良くなるために飲む時間はとても大切だからです。

今度薬局でお薬説明を聞くときには飲む時間の説明しっかり聞いてくださいね!!

次回はどんな質問が来るか楽しみです!!
とらちゃんへの薬や病気についてのご質問引き続き募集しております。

 

 

とらいわ ことえ さん

漢方師

生薬認定薬剤師 取得 海老名総合病院、アイセイ薬局にて6年間勤務。現在は派遣薬剤師として調剤薬局、病院など様々な場所で勤務中。
大学の頃から漢方に興味があり、独自に10年間勉強をし、薬ではなく食で健康になる方法を一人一人に合った漢方茶で実現しようと考え Paeon(ペオン)を立ち上げる。
自身の病氣や母の病氣を漢方のチカラにより克服した経験から、家族の健康を守りたいママと将来そんなママになりたい女性の救世主になりたいと思い、漢方師として活動中。

http://www.paeon.jp


 

 

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