<わたしの中の呪縛>
私は、実は3人兄弟の末っ子。
上の兄と10歳、2番目の兄とは7歳離れている。
私の家庭は夫婦喧嘩が絶えなくて、
家庭内がいつも荒れて、小学校が私にとって静けさを取り戻せる場所だった。
そんな私は、家族の中では、役割的に優等生を演じて、バランスを保とうとしていた。
兄たちには煙たがられていたように思う。
そもそも、わたしは、かわいくない妹だった。
兄が暴れていた頃、母の代わりに喧嘩を制止する役割だったからだ。
といのも、
「お母さんね、実はお兄ちゃんの前に流産したの。女の子だったら、今頃、お兄ちゃんたちに何か言ってくれたかなあ?あこちゃん、お姉ちゃんの代わりにお兄ちゃんの暴力を止めてきて。」とせがまれてのことだった。
その日から、私は、歳の離れた何もわからないかわいい妹ではなく、
お母さん2号で、かわいくない妹になってしまったのだ。
実は、次男に自分に弟か妹がほしいと言われたときに、
何となく、自分に似た女の子が生まれたらいやだと思い、遠ざけてきてしまったのだ。
それが、想定外に第3子を妊娠したことで、
子どもたちが毎日喜んだり、無事を願っている姿を見て、
(私もこうやって愛されていたんだな。私が妹という位置を逸脱せず、ただの妹でいればいいんだなあ。)
と、素直に思えたのである。
それは、わたしにとっては、とても大きなことだった。
といのも、いまの家族の中でも、自分の位置を逸脱して、先回りして、不安に思ったり、状況を少しでもよい方向にコントロールしなければいけないんじゃないか?と、勝手に背負っていた役割が少しずつ不要なものになっていったからだ。
ありのままでいい、家族のために、何かをしなきゃと背負わず、ただただ、状況を受け止め寄り添っていけばいいんだ。
なんだか、自由になり、ついハードワークしてしまう自分の立ち位置から降りられた気がした。
堅田亜貴子さん
*既婚
*2児の母 (執筆時 14歳・11歳の息子の母)
*東京都世田谷区在住
*資格
中学・高校第1種教員免許(数学)
品川区学習支援員
両親や家族の喧嘩が絶えない家庭で育ち、比較的早くに両親と他界。
結婚後、幸せな家庭を築いていきたい気持ちとは裏腹に、『育児をめぐる家族関係の悩み』『セックスレスの悩み』に陥り、将来の希望を失い、離婚の危機に陥った。
そんな中、ビジョン心理学に出会い、8年間かけて、こころの成長や感情との向き合い方、人生のパワーの持ち方を学ぶ。
実践的に家族と向き合い、
算数や数学と人生の関係を発見。夫に一家のパワースポットと言われるくらい変化を遂げてきた。
現在は、あらゆる経験を活かし、夫婦の絆が自立した子どもを育てる『人生の成功を支える家族の基盤構築のためのファミリーファシリテーションプログラム』を開発。学校嫌い、自信が持てない、受験を控えて元気がでないなどの子どもたちのための個別指導から、「女性のためのセックスレスカウンセリング」、キャンプ「家族みんなで幸せご飯」まで、個々のご家族に合わせたサポートをさせていただいている。