特集インタビュー「新宿の花開くママ達」 vol.4 子どものための体験活動、発達障害を広く皆さんに知ってもらうための発信

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菊田史子(Fumiko Kikuta)

1970年生。2児の母。新宿区高田馬場在住。

新宿スイッチ代表
発達障害の子どもを育てる母親です。
同じ子育てをする仲間が集まり新宿スイッチを運営。
新宿区立某中学校 PTA会長。

HP:
Blog: http://ameblo.jp/switch-sinjuku/

 

 

Q1、どんなことをしていますか? (活動・仕事内容について)

①発達障害を持つ子どもを育てるママのランチ会、勉強会、情報配信。
②先輩ママの体験談を聞く「先輩!子育て聞かせて」は聞く人の涙の絶えない人気講座。
③どろどろ愚痴を吐きたい人のための相談ルーム 「スイッチカフェ」。
④ちょっと悩みなんか話しながらきれいなハンドメイドをしたい人のための 「スイッチアクセ倶楽部」。
⑤子どものための体験活動、発達障害を広く皆さんに知ってもらうための発信・講演活動・・・などです。

 

Q2、何故、このような活動をスタートしようと思ったのですか?(きっかけは?)

発達に躓(つまづ)きを抱える子どもの子育ては、うまくいかないことばかり。
子どもにまつわるトラブルの連続で謝ってばかりの日々です。
でも、子育ては待ったなし。それになんといってもお母さんは笑顔でいたい。
また明日から笑顔で頑張るために、同じ思いをしているお母さんたちとお互いを癒して元気になる場を持ちたくて始めました。

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Q3、実際に仕事をして、大変だったこと・印象に残っていることは何ですか?

スイッチにいただく感謝の言葉やそれにまつわるエピソードは数え切れないほどあるのですが、個人が特定されやすいためあまり詳細には書けないのですが。
差しさわりの無い程度に一部だけご紹介します。

・ 子育てに悩み、このままでは小さな子どもをたたいてしまうと悩んでうつむいてスイッチの集まりに現れたその新米お母さん。大笑いの絶えないスイッチの仲間を見て「母親の強さに圧倒されました!元気をもらいました!」。

・ある学校で大活躍する姿が話題になったお子さんのお母さん。「子どもがここまで成長できたのは、スイッチがあって母の私が元気になれたおかげ。悩んでいたあの頃、親子で死ななくてよかった」。

・転勤で新宿に移り住んだお母さん。知らない土地で発達の問題を抱え悩んでいたが、たくさんのスイッチママに助けられた。

・多動でトラブルを繰り返す子供のお母さん。トラブルの後始末に奔走しながら、「一番の心の支えは同じ境遇のママ、スイッチの仲間たち」。

・保健センター、保育園、児童館など、子育ての現場で働く人のために、子育て体験談を聞いていただく研修会のご依頼も受けています。
現場の職員の方からは「母親がここまで話すことができるようになるのはどんなに大変だったことか。自分の家の事だけに収斂することなく、社会に発信していることにも感銘を受けた」「現場で働く者にとって、こうした母の赤裸々を知っているのと知らないのとでは雲泥の差だ」。

ほんの一部の紹介ですが、このように
つまずいて悩んでいた子どもたちが、少し大きくなって笑顔で活躍している姿を見ることがあります。
それは本当に涙があふれる瞬間。
スイッチがあったから、死なないで頑張れたっていうママの声を聞くこともあるんです。

 

Q4、嬉しかったことは何ですか?

いつの間にかスイッチは大笑いの絶えない集まりになりました。
困難の数は減らないのに、仲間がいるだけで強くなれる。お母さんってスゴイです。

参加者はイベントならば20人前後、講演会によっては50~60人ということもあります。
イベント後によく開催するおしゃべりランチ会は、毎回初めての方もいらっしゃるので、自己紹介をしたりもします。
初めてでも悩みが同じですからすぐに旧友ように打ち解けます。
喋って笑って時には涙したりすることも。
「楽しかった!また会おうね!」って別れるのがいつものスタイル。

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Q5、周りからの反対はありましたか?(家族・夫・子ども・姑・舅・ママ友など)その時、どう思いましたか?

反対なんかさせません(笑)
子どもをまっすぐ育てたいのはどの親にもどの家族にも同じ願い。
そのための活動と説明していますから、
私自身についていえば周りからの反対はありません。

スタッフは困難な子育てをしている母親たちですから、
子どもと家族を優先するというのがスイッチの鉄則。
その日の子どものようすでスタッフのドタキャンがありうることは、
どのイベントにおいても大前提です。

また、もしもスタッフの中にご家族の反対があれば、
スイッチとしては何をおいてもご家族を優先してもらっています。

 

Q6、その活動の原動力は何ですか? 
(何かを始める・継続することはスゴいこと。読者にヒントを下さいっ。)

子どもは、自身の特性とか、親とか、環境とかを選んで生まれてくるわけではありません。
どんな特性に生まれても、どんな環境に生まれても、がっつり守って大きく育ててやりたい。
だからこそ、お母さんはいつも動じず笑っていたいのです。ただそれだけが原動力。

準備期間を含めてかれこれ8年目。(2016年現在)
この活動は発達障害をもつ子どもたちがいきいき生きていくための活動です。
例えば周囲との軋轢が生じるとか、スイッチの活動についてのご批判をいただくなど、
私たちの活動自体が未来の発達障害児や保護者に悪影響を与える可能性が発生したならば、
直ちに私たちの活動をやめようと話しています。

実際、問題が発生していよいよスイッチをやめるときではないかと話し合ったことは、枚挙にいとまがありません。
その壁を乗り越えるためにその都度スタッフの間では話し合いを重ね、周囲には誠意をわかっていただく努力をしてきました。
ところが、そのたびごとにスタッフの結束は固くなり、スイッチと周囲の方々との信頼関係はより深まってもきました。
「転んでもただで起きないスイッチ」と周囲の皆さんによく評されます(笑)

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Q7、将来はどんなイメージを持っていますか? (夢・目標について)

みんなで育てている子どもたちが、それぞれに自分らしく輝いて活躍してくれたらいいな。
発達障害があろうとなかろうと、スイッチがなくても元気に子育てしていける世の中になり、「スイッチなんかいらないよ」っていうときが来るのが目標です。
それぞれに自分らしく輝く大人になって、あちらこちらで活躍するスイッチの子どもたちのまぶしい姿を垣間見ながら、のんびり余生を過ごしたい。

 

Q8、プライベートではどんな人ですか?(ママ・妻・女性として)

あわてんぼう、おっちょこちょい、言語優位、相貌失認、方向音痴。

 

Q9、新宿との縁(ゆかり)について教えてください。(地元?地方出身者?働いている?)

薩摩おごじょ(鹿児島地方の方言で、”鹿児島の女性”のこと)です。
大学時代に落合に移り住んだのが新宿生活の始まり。
百人町で子育てを始めて、今は高田馬場界隈を自転車で滑走する日々。
新宿の好きなところは許容力。性別も文化も言語も問わず進取の気性を包み込む街の度量と人情。

 

最後にメッセージをお願いします。

ママが笑顔でいるために、横のつながりはとっても大事。笑顔の後ろの困難を想い合える豊かな想像力を忘れずにいたいと思います。
子どものこと、ご家族、お仕事、ご近所・・お母さんの仕事はあれもこれも。日常の些細な積み重ねのすべてに頑張っているお母さん、応援しています。

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<インタビューを終えて>

母親の存在。家族の在り方。地域社会。相互理解・・・。
育児をしていると「生きる体力」がつくような気がします。
今回の菊田さんのインタビューから、
必要な情報を求めている人に届けることの大切さを改めて感じました。
「スイッチなんていらないよ。」という相互尊重が当たり前になる社会を思い描いて。

担当:カオリコ

 

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