ママになりたい~acoの妊活から出産までの記録~ Vol.6【★パートナーの反応】

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私の妊活期間は、クリニックに通い始めた頃から考えると、1年7ヶ月。
皆さんが想像するように、1人で妊活は出来るものではありません。
主人が妊娠することが如何に大変か気づき、初めて事の重大さを認識したのは、クリニックに行った初日でした。
やはりそれまでは、どこか妊娠について他人事のようでした。
しかし、院長先生との面談でデータを突きつけられたことで『やらないといけない』から『一緒にどう頑張るか』というスイッチが切り替わったようです。

体外受精は、状態のいい精子を出すため、指定された日から禁欲期間をとります。
また、その日に向けて仕事の調整が必要になってきます。
妊活を始める前までは、興味本位でクリニックに通院している友人からそういった話を色々と聞いていましたが『いざ自分が』となると、それはもう真剣そのもの!

目標は『妊娠する事』と割り切り、二人で本気で取り組んでいました。

しかし、なかなか思うようにいきません。
スムーズに進まない上、注射・薬の服用などで副作用も出る。
また、本当に妊娠出来るかどうかの確証がないので、不安や焦りも出始めました。

「今回も妊娠がダメだったと院長先生から言われたよ、と報告した時。」
「採卵が直前でキャンセルになった時。」
「手術をしなければいけなくて、手術室の前で主人と別れた時。」
「外出先で、子連れで楽しそうな家族を一緒に目にした時。」
「『○○さんのところに子供が生まれたから出産祝いを手配しておいて。』と言う時の主人の顔」

・・・挙げればキリがありませんが、落ち込んでいるだろうと想像させる顔を、私はたくさん主人に見せてきました。

平気そうに・元気に装う私の姿からも、きっと主人は毎回感じ取っていたはず。

「なんで私だけこんなにみじめな姿を、夫に見せなくてはいけないんだろう。」

と何度も思ったものです。

ある日、雑誌のインタビューで主人がこんな事を言っていたのを聞く機会がありました。

『僕と妻との共通の知り合いのご夫婦が赤ちゃんを授かった。それを妻に伝える事にすごい葛藤があって。
そういう話題に妻がデリケートになっているだろうと思ったので、なんて伝えたら良いのだろう?
でも、後で知った方が余計傷つくだろうから、言うなら今だけど、果たして喜んでくれるかな。
落ち込んだらどうしよう? いや、そもそも友人のおめでたい話を素直に喜んであげられない俺ってなんなんだ・・・とか、
そういう事を考えている事に気付いて、自己嫌悪に陥ったりと、グルグルと色々な想いが巡りました。』と。

私が今までにお会いした妊活中のご夫婦で、奥様側は、
『大変なのは女性ばかり。』と言っていても、旦那様にお話を聞くと、奥様が驚く程、奥様の大変さを感じ、気を遣っている方ばかりでした。
しかも、無事に妊娠をされてからも奥様への気遣いが素晴らしく、本当に仲良しで。自分も妊活を頑張りながらも『この辛さは夫婦の絆を強めるものでもある』と再確認したものです。

話は少し逸れますが、私の知り合いのご夫婦がとても仲が良く、その秘訣を伺ったことがあります。

『acoちゃん、男の人は仕事(職場)と言う名の戦場に毎日出かけ、世の中にもまれているの。すっごく大変なの。
だから、acoちゃんも常に旦那様を立てて、旦那様をいい気分にさせてあげてね。
そして、子供が出来てもあくまでも子供は二番よ。一番は旦那様。』

と教えてもらいました。
この言葉は、私が今でも毎日自分の中で唱え、実行しようと思っている事です。

自分の辛い時に親身に話を聞き、そして一緒に乗り越える、という経験を与えてくれた不妊治療。
子供を授かれても授かれなくても、私がめちゃくちゃな時に一緒に二人三脚で頑張ってくれたという主人にこれを常に心がけて行動していたい。
やはり、そう思わせてくれた不妊治療期間は、宝物だったとしか思わずにはいられません。

 

 

 

 

aco(あこ)さん

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短大卒業後、幼稚園教諭、チャイルドマインダーと乳児、幼児に8年間かかわる。
その後、大の美容好きが高じて美容業界へ転職し、化粧品メーカーの営業を行う。

2011年結婚を機に退職し、妊活に専念。
不妊治療と並行して、子供がいない人生についても考えており、趣味の料理やテーブルコーディネートを深めるためにフードコーディネータースクールに通う。

2014年12月男児出産。現在育児とのバランスを見つつ、子連れ参加可能の料理教室やアルバム作りのお手伝い(アルバムカフェ)を開催している。


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