コミュニケーション 一覧

言葉遣いは、相手との距離や関係性が見えるもの。

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「敬語が使えない」ことと「敬語を使わない」は、全く違う。

どの人ともフラットに接したいから、と敬語を意図して使わない人もいるかと思う。

それはその人のポリシーになるので、色々言わないこととして、と。

敬語に限らず、相手を尊重する気持ちや、感謝の気持ちを伝えたい時に、適切な言葉や表現を用いられると、自分の中のモヤモヤが少なくなる。

「使えない。」というのは、知識がないので教育が必要になります。

「使わない。」というのは、戦略が入ってくるので時と場合で使い分けることですね。

 

さて、
「英語がもっと上手に話せたら、今の感動を言葉で伝えられたのに。」という人も多い。

日本語も同じで「日本語の知識がもっとあったら、(または、表現方法のバリエーションがあったら)相手にもっと自分の感動を届けられるに。」ということと同義になる。

 

尖った気持ちのまま、言葉を発すれば、尖ったまま空気が振動して、相手に刺さる。

柔らかな気持ちで言葉を紡げば、ふわっとしたままの空気と一緒に相手に届く。

音は、空気を振動させて周りに響く。声も同じ。
発する言葉は、内容と人柄が一致していないと相手には届かない場合が多い。

話し方は、その人を現すインフォメーション。
情報が沢山詰まっているのです。

だから、会えば分かる。
空気感、話し方、選ぶ言葉、語尾の口調、姿勢、目線、歩く速度、珈琲の飲み方、などなど。

与えたい印象の人になるには、具体的にそういう人の細部まで真似してみるといいかもしれない。

続きは、また。

 

魅話力®
話し方プロデューサー
前田カオリコ

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*エッセイ*活字との出逢い

そもそも、私が読書家になったのは実兄の影響だった。

20年前、
父親がうっかり購入した(バブル期の余韻)百合ケ丘のマンションに、
兄と入れ替わりで住むことになった大学1年の春。気ままな一人暮らし。

家具が全て残った状態で引き継ぐことになり、インテリアは兄仕様。
ロフト付きの1LDKの部屋の壁棚には、ぎっしりと詰まった本の数々。

それを全部読んだ。
200冊くらいだったと思う。

目的が持てないと、無為に過ごしがちな学生時代。
読書の習慣が身についた私は、言葉やコミュニケーションに興味を抱く。

「人が好きだから。」と、理由にするには不十分な志望動機を掲げながらも、全国行脚してアナウンサー受験をした。

拾われるようにして喋りの仕事に就いた私に、スタジオの中で・現場で・プレビューをしながら・・あらゆるシーンで言葉のプロ(アナウンサー陣)や、番組・イベント作りのプロが指導をしてくれた。
伝え手である存在意義を、何も考えていない(そこに考えが及ばない程、あんぽんたんな状態)当時の私に、本当に根気よく教えてくれたのだ。

アナウンサーのボキャブラリーは小説家には敵わないが、本を沢山読みなさい。
活字を読み、アナタの身体(目・感性)というフィルターを通して、アナタの声で伝えなさい。

見たこと・感じたことを、体験していない人に言葉でイメージ出来るように伝えなさい、と。そして、誰もが分かる言葉を選ぶこと。

聞き手が理解して、初めて「伝わる」のだから。

得手不得手はあるけれど、スマートに話すことより、
何を伝えたいかという情熱がある人の言葉に人は心を動かされる。

「言霊」とは、そういうこと。

言葉の遣い方で、その人が分かる。
句読点の打ち方で、その人のリズムが分かる。

 

マッサージや食事で身体を整えるように、言葉でその人のココロと身体を整える。
私は、その人の身体に触れないけれど、ココロに触れてエネルギーを整える。

そういうことを、業(なりわい)としている。
そして、これを天職だと信じて疑わない能天気な幸せ者である。

 

どんなにITが発展したとしても、紙媒体で活字を読むことは決してなくならない。
それが、脳に及ぼす効果は計り知れないものだから。

 

いつも傍らに、本を携えて。

 

前田カオリコ

エッセイスト・話し方プロデューサー

1976年生まれ 新宿区在住
2児の母

新宿区発のママ*サークル「ブルーミング・マム」代表
新宿区子ども・子育て会議 区民委員
2016年度 新宿子育てメッセ 実行委員長
昭和女子大学 社会人メンター
小学校英語指導者資格

 

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