<温泉ソムリエ通信Vol.2> いつから入っていいの?ベビーとお肌と温泉あれこれ①

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このコラムを覗いてくださってありがとうございます。

今回は『いつから入っていいの?ベビーとお肌と温泉あれこれ①』 というテーマでお話していこうと思います。

皆さんは、温泉旅行は好きですか?
好きだけれど、子どもが生まれてからなかなか機会がなくなってしまった…
ベビーと一緒に温泉に行きたい!とは思っても、そもそもいつからOKなのかわからない…
どんな温泉ならOKなの?

実は、温泉地に行くときってその温泉地にある観光名所や名物は調べるけれど、
温泉の泉質のことは調べないという方は多いのです。
せっかくの旅行ですから、温泉旅行先でベビーと一緒に温泉に入れたらママも旅行の幅がぐんと広がりますよね。

ベビーと温泉に入るためには、まずベビーのお肌のことを知っておくと、より温泉を楽しむことができます。
そこで、今回はベビーのお肌について、3つの視点からまとめてみました。

【ベビーのお肌の基本のこと】
赤ちゃんは、全身ぷくぷく、ムチムチとしていて、触ってみるともっちもちのお肌。
なんて羨ましいの!と思わずにはいられませんよね。
でも、ベビーのお肌はとってもデリケートです。乳児のうちの肌は大人のそれよりもかなり薄く、
大人の半分から3分の1程しかありません。

構造こそ大人の肌と同じですが、真皮・表皮・角層の構成比が異なり、働きも万全ではなくお肌のバリア機能が不十分。
また、乳児のお肌の細胞の数はだいたい大人と同じですが、表面積が小さいことで
汗を分泌する汗腺も密集しているため、大人と比べると2~3倍も汗をかくとも言われます。

温泉は通常のお風呂よりも温度が高いこともあったり、含有成分によってはのぼせてしまいやすくなります。
また脱水症状を防ぐためにも、温泉に入る際は大人もベビーもしっかり水分補給を行ってから入るようにしましょう。

【ベビーのお肌の移り変わり】
そして、ベビーの肌は水分量が多いとされていますが、その水分量も生後3か月頃を境に、1歳くらいでは大人と同じくらいにまで減少します。
皮脂の分泌量は不安定で、生後3か月くらいまではホルモンの影響で皮脂の分泌量が多く、
また汗も多いため、肌がべたべたしたり、新生児ニキビなどの乳児湿疹ができやすい時期です。

肌が一番不安定なねんね・寝返りの頃のこの時期にどうしても温泉旅行をしたいという場合は、
ベビーは部屋風呂(温泉ではなく、水道水のもの)か、内風呂でベビーバスを利用し、パパとママだけ温泉を楽しみましょう。

生後3か月を過ぎると、今度は皮脂の分泌量がぐっと減少します。皮脂膜がつくられないため、肌の水分も失われやすく、刺激にも敏感な乾燥しやすい時期です。
乾燥しやすくて外的刺激に弱いということは、温泉の種類にも気をつけなければなりません。

【ベビーも入って安心!温泉の泉質】
上記で紹介しましたように、生後3ヶ月までは肌の組織が不安定ということを踏まえて、
私がママたちにおすすめしたいベビーが温泉デビューをするのに最適な月齢は、
お座りができ、肌が安定してくる生後6ヶ月頃からです。

そこで、乾燥しやすくて外的刺激に弱い時期のベビーが入っても安心な温泉を、
どんな温泉なのかも交えて簡単に泉質別にご紹介したいと思います。

●ベビーが入ってもOKな泉質

『単純温泉』
刺激が少なく、湯ざわりが柔らかい。なかでも(弱)アルカリ性の単純温泉は刺激が少ないのに美肌効果がある、ママに嬉しい‘美肌の湯’です。

●(ベビーが湯あたりしないよう、様子を見ながら)入ってもOKな泉質

『塩化物泉』
塩分を多く含む、味は塩辛く日本各地でよく見られる泉質。保湿作用と保温作用があり‘あたたまりの湯’と言われる。

『硫酸塩泉』
含有成分によって3種類に分かれている。傷の湯、若返りの湯と言われ、肌の蘇生効果があると言われている。       

『二酸化炭素泉』
読んで字のごとく、二酸化炭素(炭酸ガス)を含む温泉。湯温は低めのところが多い。
入ると肌にガスの気泡がつく。血管拡張作用がある。

『炭酸水素塩泉』
入浴中は肌がすべすべに。入ってすぐに効果が実感できる、典型的な美肌の湯。
入浴後は肌が乾燥するので保湿ケアをしっかりと。

●ベビーが入るのはNGな泉質

『含鉄泉』
鉄分を含んでおり、時間がたつと茶褐色に。時間の経過とともに酸化が進んで
かなり濃度が濃いのが特徴。成分が濃いため肌への刺激が強い。

『硫黄泉』
硫黄を含み、卵の腐ったようなにおいが特徴。金属が酸化するほどの強い成分を含むが、その分効果は高い。
生活習慣病に効果がある。刺激が強い。

『酸性泉』
殺菌効果があると言われ、慢性の皮膚病に良いと言われますが、病弱者、高齢者などには刺激が強いため適しません。
もちろん、ベビーはもってのほか。

どの時期のベビーにも言えることは、温泉に入る場合はベビーのお肌のトラブルを避けるため、
なるべく肌に刺激が少ない温泉を選んであげてください。
単純温泉であれば、もっとも刺激が少ない温泉ですので、まずは単純温泉でデビューさせてあげるといいでしょう。

今まで温泉旅行の際に、目的地の温泉がどんな泉質なのかをあまり気にしていなかったというママも、
もしベビーと温泉旅行を考えているのでしたら、ぜひベビーのためにも泉質はチェックしてみてくださいね。

次回のコラムは、『いつから入っていいの?ベビーと温泉あれこれ②~単純温泉~』というテーマで、
単純温泉について詳しくご紹介させていただく予定です。ぜひまた読んでみてくださいね。
 

 

 

 

Blooming Momプロマム認定講師  温泉ソムリエ  平岩祐香さん

promom-yukahiraiwaダイエット温泉ソムリエ/温泉ビューティーソムリエ/★(1つ星温泉ソムリエ)

立教大学観光学部観光学科卒。
在学中から、リゾート地ホテル・旅館でのアルバイトを複数経験。
スターツホテル開発株式会社に入社。
系列の3つのホテルのフロント、予約、ゲストリレーション部門を経験。

元々の温泉好きが高じて、出産を機にベビーとも温泉を楽しめる家族がもっと増えればという願いから、育児をしながら温泉ソムリエの資格を取得。 現在は、ブルーミング・マム認定の「プロマム」として活動中。

新宿区在住:1児の母


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