ママになりたい~acoの妊活から出産までの記録~ Vol.4【★不妊治療の不安】

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クリニックに通い始めてからは、
毎日「いつ妊娠するんだろう。私は妊娠することができるのだろうか。」という事ばかりで
頭の中がいっぱいになっていました。

治療中の方々と話した時に、ほとんどが『体を温める赤外線○○を購入』や、
『お腹・腰にカイロを常に○枚、靴下は○枚重ね履き』、『週に1度、高価な鍼治療に通院』など、
子供を授かるために様々な努力をし、お金をかけていました。

それに比べて「私は何もしていない」と言うか「余計な事は一切するな」という
院長先生の指示通りにしていただけですが、お金をかけている方々が次々妊娠していくと、
『私もやったほうがいいのかな。』と勝手に思ってしまったりして、葛藤がありました。

クリニックや個人でも通院する日数は違ってきますが、私の場合、最大でも月の1/4程度。
働いていない私は、必然的に自分の時間が沢山できてしまいます。
そして、いつ妊娠できるか分からない状態なので、今後どれだけのお金がかかるかも、皆目見当がつかないわけです。

体外受精ともなると、『次回は、○十万円をご用意してご来院ください。』とサラリと言われます。
毎回、私にとっては驚くような金額が飛んでいきます。
子供ができなければいつまでもこの状態が続くわけですから、おのずと未来が怖くもなってきます。

また、時間に余裕があるけれど、同世代の友人達は子育てで忙しい。または、バリバリ働いている子達ばかり。
平日に遊んでくれるような友人達はいないので、一人の時間が出来る。そうなると、ネガティブな事を考えてしまったりする。

アルバイトをしたくても、クリニックの通院日は、私の体の状態によって決まるため、
ほぼ毎回、直前ではないと通院日が決まらず、日中は働きたくても働けない。

気晴らしに本屋に行くと、妊活の本は、『病気』のコーナーに並んでいました。
私は『病気』に分類をされてしまうんだ・・・と、却って落ち込んでしまったりして。

結局、自分一人の時間ができてしまい、ネガティブ思考に陥りがち・・と、
グルグルと負のスパイラルに。もう誰かに助けを求めたい気分でした。

 

こちらのクリニックでは、毎回内診がありました。
仕切られた内診室に一度に数人の患者さんが入るような仕組みだったので、隣の様子が聞こえてきます。

ある日、三つある内診室の真ん中で診察を受けた時のこと。
両隣りの方がそれぞれ『おめでとうございます。』と言われていました。
素直にものすごく嬉しくて、心の中で勝手に私も「おめでとうございます。」と言っていました。

ですが、私の内診になると先生は『うーーーん。卵胞が育ってない・・。』と困った感じ。
結果を出すクリニックでしたので、今まで何度も他の方が『おめでとうございます』と言われている声が聞こえてきました。

『おめでとう』を言われた方が、
穏やかな顔で旦那様と待合室でお会計を待っているのを見て、キラキラ眩しい存在だったことを覚えています。

そんな中、私の治療は全くスムーズに進まない。
それどころか、「何でうまくいかないんだろう。」と院長先生が頭を抱える事もしばしば。

・・・全く未来も見えなくて、不安でいっぱいの日々。

毎日の中心が『妊活』になってしまっている私には、
友人と話す話題もついそちらにいきがちになります。

しかし、それを言われた側の友人の気持ちを考えると
『こんな話を聞いても私に気を遣うだろうな』と思い、無理に元気を装ってみたり。

そんな中、ついに親友と学生時代の友人達に
『治療が本当に辛い、メンタルがやられる。』とメールを送ったことがありました。

親友からの返事はこうでした。

『acoの事だから、辛い治療も気が済むまでやらないとダメな性分でしょう。
私は気楽に妊活しな、なんて言わないよ。思い切り、気が済むまでとことん頑張りな。そして、何かあった時は、いつでも飛んでいくから。』

そして、学生時代の友人達は、

『acoが心配。みんなでacoに会いに行こう。』

と、子育てで忙しいにも関わらず、みんなで会いに来てくれました。
今思い出すだけで涙が出ます。考えすぎず、友人達に頼ってよかった。
そして、頼らせてくれる素敵な友人達がいるとこの時、
この状況だからこそ分かりました。今考えると、この辛い時期はもしかすると、
本当に私に必要な人、と言うのをふるいにかけていた時だったのかもしれません。
 

 

 

 

aco(あこ)さん

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短大卒業後、幼稚園教諭、チャイルドマインダーと乳児、幼児に8年間かかわる。
その後、大の美容好きが高じて美容業界へ転職し、化粧品メーカーの営業を行う。

2011年結婚を機に退職し、妊活に専念。
不妊治療と並行して、子供がいない人生についても考えており、趣味の料理やテーブルコーディネートを深めるためにフードコーディネータースクールに通う。

2014年12月男児出産。現在育児とのバランスを見つつ、子連れ参加可能の料理教室やアルバム作りのお手伝い(アルバムカフェ)を開催している。


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