つどい先生流*子育てのコツ ~ママと子どもの笑顔のために~ vol.6子は親の鏡

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みなさま、夏休みはお子様たちと有意義に過ごせたでしょうか?

今までの5回のお話を通して、私の育児に対する想いや考えがみなさんに伝わってきたかな?と思うので、
今日は私のバイブルでもある詩、「子は親の鏡」をみなさんにご紹介しようと思います。

まず、この詩の内容を子どもに置き換えてみますね。
5歳の女の子を想像してみてください。

AちゃんとBちゃんが、幼稚園でYちゃんにキツイことを言われて帰って来ました。
Yちゃんは先生の言うことに反抗したり、時には乱暴なことをしたりする子で、
Yちゃんにキツイことを言われるのは、その日が初めてではありません。

AちゃんとBちゃんは、ママに
「ママ、聞いて!今日もね、Yちゃんが◯◯って言ってきたんだよ!Yちゃんって意地悪でヤダ!」
と、その日のことを話しました。

Aちゃんのママは、
「またYちゃんにそんなこと言われたの?」
「Yちゃんって、本当に意地悪な子ね!」
「Yちゃんとは、なるべく付き合わないようにしなさい。」
と話しました。

Bちゃんのママは、
「そんなこと言われたの?嫌だったね!」
「Yちゃんによく言われちゃうけど、BはYちゃんと仲良くしたいの?」「うん。仲良くしたい。」
「Yちゃんは意地悪な時もあるけど、優しい時もあるよね?」
「今日のことは嫌だったけど、また明日仲良くできるかな?」
と話しました。

その後、どうなるかは想像つきますよね?
Aちゃんは、Yちゃんの悪口を言って仲間外れにするようになり、
Bちゃんは、Yちゃんに優しく声をかけて仲良く遊ぶようになります。

Aちゃんのママのように、批判的なことを言って育てると、友達に悪口を言うような子に育っていき、
Bちゃんのママのように、受容的なことを言って育てると、友達に優しくできる子に育っていきます。

まさに、「子は親の鏡」です。
あなたなら、どちらの子どもに育てたいですか?
これから紹介する詩には、育て方のヒントがたくさんつまっています。

余談ですが、私がYちゃんに関わるとしたら、
問題行動が家庭環境によるものだとわかるので、Yちゃんを擁護するような立場で接します。
友達に意地悪をしてしまう子は、親に意地悪をされている子、と考えることができます。
先生や周りの大人たちには、Yちゃんの置かれた状況を理解してあげ、
頭ごなしにYちゃんを叱らないで、救ってあげてほしいなと思うのです。

「子は親の鏡」

けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる
子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる
叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
やさしく、思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば、
子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる

『子どもが育つ魔法の言葉』 
ドロシー・ロー・ノルト  レイチャル・ハリス 
PHP研究所
より

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この本の最初に紹介されているのがこの詩です。
この本が出たのは1999年。私が教師になったのが2000年。
担任時代は、親→教師、家庭→学校に置き換えて、学級経営の基本としていました。
学級通信に載せたら、反響が大きく、たくさんのお母様が共感してくださいました。
早速、本屋に買いに行ったというお母様もいたほどです。

この詩の前半は、親としてマイナスの育て方、後半はプラスの育て方になっていますよね。

中でも私が好きな言葉は…
「励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる」
「認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる」
「見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる」

これらは全て、私が子育てで最も大切にしている「自己肯定感を育てる」ということにつながります。
自己肯定感=自分を大切に思う気持ち、自分を好きだと思う気持ち(自尊感情とも言います)
これが土台にないと、何事にも前向きに取り組めなくなってしまうんです。
つまり、心のエネルギー源ということです。

この、自己肯定感の土台は0歳から6歳までの間に育まれると言われています。
小学生になってからでは遅いというわけではありませんが、愛着が形成される乳幼児期に、
親がその子をまるごと受け止め、認めてあげて、自己肯定感を育ててほしいと思います。

コラムvol.1「抱きしめる子育て」の中でお話しましたが、
親に愛されている実感をもっている子は、自己肯定感が高まり、何をするにも意欲的、前向きになります。
逆に、けなされ、叱られてばかりで育ってきた子は、自分に自信がなく、何をするにも消極的になり、ひどい場合は反
抗的、挑戦的、暴力的にまでなってしまいます。

目をキラキラ輝かせて、「何をするのも楽しい!」と、入学してくるはずの小学1年生で、
「どうせ自分なんて…」と、すぐに自分を否定し、
何をやってもうまくいくはずがないと思ってしまっている子がいるなんて、悲しいと思いませんか?
この世に生を受けてわずか6年で、「どうせ…」というのが口癖になっている子どもたちがたくさんいるのを私は見てきています。
そういう子を一人でもなくすため、ママになったみなさんには、上手に子育てをしてほしいのです。
そのためのヒントを、ここでは少しずつ紹介しています。

「励まして」「認めて」「見つめて」あげて、たくさん愛情をそそいであげれば、
子どもは自分のことが好きになり、多少のことではくじけない心が育っていくのです。

「子は親の鏡」
どこか一行でも、気になるところがあれば、
今日からの子育ての参考にしてみてはいかがですか?

子どもたちが、笑顔で、自分が好き!と言える子に育つことを願って…☆

つどい
 

 

 

 

子育てアドバイザー 集~tsudoi~

13歳と7歳の娘をもつ教育者。

13歳と7歳の娘をもつ教育者。
小学校の担任教師として7年間勤務。

娘が4歳の時に退職。当時の長女は、朝一番に保育園に預け、
一番最後にお迎えに行くという生活。
娘との時間を十分取れないことが、娘の成長によくないことだと一番わかる職業だったため、母親としての立場を優先し、退職を決意。
その後は、小学校にて、発達障害(自閉症スペクトラム・ADHD・LDなど)や愛着障害の子どもたちをサポートする仕事に転職。
教育現場で子どもたちと関わって16年。
様々な子どもたちと関わり、教育してきた経験から、独自の育児論を持ち、それを娘たちの育児の中で実践中。

また、趣味の延長でフラワーアレンジメントのディプロマを取得。
自宅レッスンやウェディングブーケ制作なども行っている。

実績:
スリーエム ジャパン株式会社「子育てセミナー」
教員向け夏季研修・新人研修


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